一次相続と二次相続の違い|相続税対策はどのようにするべき?
相続は一次相続だけではなく、配偶者の他界による二次相続でも適切な税務対策が重要になります。
二次相続の相続税は、一次相続に比べて負担が大きくなる傾向にあるため対策が欠かせません。
本記事では、二次相続の基礎知識と税負担を抑えるための具体的な対策をご紹介します。
二次相続の基礎知識
二次相続は、最初の相続(一次相続)で遺産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に行われる相続のことです。
たとえば、先に父親が他界した場合、母親と3人の子どもたちで遺産を分配し(一次相続)、その後、母親が亡くなった時点で、残された3人の子どもたちの間で母親の遺産を分配します。
一次相続に比べて二次相続の相続税が高くなる主な理由
二次相続は一次相続と比べて、次の5つの要因から相続税の負担額が増加する傾向にあります。
- 法定相続人の減少で基礎控除額が低下
- 死亡保険金などの非課税枠が縮小
- 配偶者控除が使用できなくなる
- 配偶者本人の資産が合算される
- 税制優遇措置の適用条件が厳格化
これらの要因を考慮し、二次相続に向けて対策を立てることが重要です。
二次相続における相続税対策の実践方法6選
二次相続の税負担を軽減するには、配偶者が保有する財産を必要最小限に抑えることが重要です。
以下では、効果的な6つの対策を解説します。
生前贈与を活用した相続税の軽減
生前贈与は相続税を抑える有効な手段です。
暦年課税制度では毎年110万円までの贈与が非課税となります。
ただし相続時精算課税制度を選択した場合、暦年課税制度が利用できなくなるので注意が必要です。
また、2023年度の税制改正大綱が見直され、2024年1月1日以降は相続開始前の7年以内に贈与された財産が相続税の対象となります。
生命保険を活用した相続税の軽減
生命保険の受取人を子どもにすることで、相続税の軽減が可能です。
一次相続で配偶者が大部分の遺産を相続した場合でも、配偶者が子どもを受取人とした生命保険に加入すれば、二次相続時の課税対象額を抑えられます。
死亡保険金は相続財産とみなされますが、法定相続人1人につき500万円までの非課税枠が設けられています。
収益物件の相続対策
収益物件は一次相続の段階で子どもへ移転することで、将来的な税負担軽減が可能です。
アパートなどの収益物件を配偶者が相続すると、家賃収入により財産が増加し続ける可能性があります。
二次相続の税負担軽減のため、早期の資産移転が有効です。
資産価値上昇が予測される物件の相続方法
将来的な価値上昇が見込まれる資産は一次相続時に子どもへ移しておきましょう。
二次相続までに資産価値が上昇すると、相続税評価額も比例して高くなるためです。
自宅の相続における税負担軽減策
同居する子どもに一次相続で自宅を相続させることで、二次相続の税負担を軽減できます。
不動産は相続財産の大部分を占めるため、小規模宅地等の特例も活用し、早期の資産移転を検討すると効果的です。
配偶者居住権を活用した相続方法
配偶者居住権の活用で、自宅の所有権を子どもに移しつつ配偶者の居住権も守ることができます。
この方法により二次相続の税負担を抑え、配偶者の生活基盤の維持も可能です。
まとめ
二次相続では一次相続と比べて相続税の負担が増加するため、計画的な対策が不可欠です。
これまでに紹介してきた対策法を活用することで、二次相続の税負担を効果的に軽減できます。
相続税の軽減方法についてもっと詳しく知りたい、相続税について悩みがある方は、税の専門家である税理士にご相談ください。
当事務所が提供する基礎知識
Basic Knowledge-
確定申告とは
個人の所得には所得税がかかります。そのため、税務署に対して、「自分はこの1年間でこれだけの所得があったので、そ […]
-
会社設立の流れ|...
個人事業から会社を設立する、もしくは会社を新規で設立する場合には様々な手続きが必要になります。今回は、会社設立 […]
-
配偶者居住権とは...
民法改正により、2020年4月1日から「配偶者居住権」が創設されました。配偶者居住権を上手に活用すれば、相続税 […]
-
個人事業主が法人...
個人事業主が法人化をすることによって、節税効果などのメリットが期待できるため、個人事業主から法人化するケースは […]
-
相続税の支払い方...
相続税が発生した場合、期限内に支払わなければなりません。亡くなってから10か月後が申告期限です。たくさんの財産 […]
-
法人税務はどのよ...
法人税務としては、税務書類の作成、節税のアドバイス等を行うことができます。これ以外についても、税務全般の相談を […]
よく検索されるキーワード
Search Keyword代表資格者紹介
Staff大学卒業後、会社員、会計事務所職員を経て大学院で公共経済学・企業経営論を専攻、後に独立し税理士として会計事務所を開業。
現在、静岡県浜松市を拠点に得意とする会社設立・起業・開業に力を入れるとともに、税務顧問・会計支援・IT経営支援サービスを展開している。
所属団体
- 東海税理士会 浜松西支部 (登録番号 第87151号)
- 静岡県行政書士会 西遠支部 (登録番号 第03171961号)
- ITコーディネータ (0046832003C)
- 農業経営アドバイザー (日本政策金融公庫)
- 登録政治資金監査人 (第1992号)
- 申請取次行政書士 (名・行)第03-109号
- MCSC(Microsoft Certified System Coordinator)
- 損保マスター資格 (第マスター009807号)
- 2級 ファイナンシャルプランナー技能士
経歴
- 駒澤大学 経済学部 経済学科卒
- 愛知大学大学院 経済学研究科修了 経済学修士
- 中京大学大学院 経営学研究科修了 経営学修士
事務所概要
Office Overview事務所名 | 平川昌彦税理士事務所 |
---|---|
代表者 | 平川 昌彦(ひらかわ まさひこ) |
所在地 | 〒432-8047 静岡県浜松市中区神田町461番8 |
TEL/FAX | TEL:053-545-5570/ FAX:053-545-5571 |
営業時間 | 平日9:00~18:00(事前予約で休日、時間外対応可能です) |
定休日 | 土・日・祝日 (事前予約で休日、時間外対応可能です) |
アクセス | 浜松駅よりバス利用約10分、お車でお越しの際は駐車場が8台分ございます。 |