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個人事業主が青色申告を怠った場合のペナルティと対処方法を解説

個人事業主として忙しく働くなかで、つい後回しにしてしまいがちなものに、青色申告があります。

しかし、申告を怠ると税制優遇を失うだけでなく、追徴課税や税務調査リスクも高まるおそれがあります。

本記事では、青色申告を怠った場合の主なペナルティと、期限後申告・修正申告による対処方法を解説します。

個人事業主が青色申告を怠ると税制優遇が受けられない

青色申告には、特別控除や損失の繰越、事業承継税制の適用など多くの税制優遇があります。

これらは要件を守って申告してこそ維持されるもので、怠ると順次失われていきます。

特別控除や損失の繰越など青色申告の特典が使えなくなる

青色申告者には、次のような手厚い税制上の特典が用意されています。

 

  • 所得金額から最大65万円・55万円・10万円を差し引ける青色申告特別控除
  • 事業で赤字が出た場合、その赤字を翌年以降の黒字と相殺できる純損失の繰越控除

 

青色申告を継続できれば、長期的な税負担を抑えられる可能性があります。

しかし、必要な確定申告を怠ったために青色申告の承認が取り消されてしまうと、青色申告者の優遇措置は使えません。

同じ売上や経費でも、青色申告の特典がないだけで税額が大きく増えることもあるため、申告を怠ったツケが、数年分まとめてのしかかる危険があるといえます。

優遇が失われるタイミングと条件

55万円または65万円の青色申告特別控除を受けるためには、原則、翌年3月15日までに確定申告書を提出することが必須条件です。

この期限を過ぎてから申告した場合は「期限後申告」となり、控除枠を利用できず、税負担が増加します。

また、次のような場合には、青色申告の承認自体が取り消されることがあります。

 

  • 税務調査の場面で帳簿書類の提示を正当な理由なく拒否した
  • 税務署長の指示に従わなかった
  • 隠蔽や仮装によって所得を少なく申告していたことが発覚した

 

特に、不正にかかる所得金額が更正後の所得金額の半分を超え、かつ500万円以上となるケースは、取り消しの基準に該当するため注意が必要です。

青色承認取消しで事業承継税制にも影響が出る

個人事業主向けの個人版事業承継税制を利用している場合、2つの要件を満たす必要があります。

 

  • 先代事業者が正規の簿記の原則に基づく青色申告を行っている
  • 後継者も同様に青色申告を行っている

 

この条件を満たすからこそ、高額になりがちな贈与税や相続税の納税が猶予されます。

一方で、猶予期間中に次のような事態が生じると、要件を満たさなくなり猶予打ち切り事由に該当してしまいます。

 

  • 青色申告の承認が取り消される
  • 新たな青色申告の承認申請が却下される

 

これまで猶予されていた税額の全額または一部と利子税を、一括で納付しなければならなくなる可能性があります。

青色申告を怠ることは、所得税の優遇を失うだけでなく、事業承継の計画そのものを揺るがしかねない点にも留意が必要です。

青色申告を怠った場合に生じる主なペナルティ

青色申告を放置したり無申告が続いたりすると、本来の税金に加えて各種加算税や延滞税が課されるだけでなく、税務調査の対象となるリスクも高まります。

無申告加算税・重加算税・延滞税が課される

確定申告期限までに申告を行わず無申告となった場合、後から申告したり税務署による決定を受けたりすると、本来納めるべき税金に加えて無申告加算税が課されます。

税務署からの指摘や調査を受けた後に申告するケースでは、この無申告加算税が原則15%〜30%という高い割合になることも少なくありません。

また、状況に応じて次のようなペナルティが加算されます。

 

  • 帳簿や領収書の隠蔽や架空経費などの不正が認定されると、重加算税が課される場合がある
  • 重加算税は税額の約35%と負担が重く、悪質なケースでは資金繰りを直撃しかねない
  • 法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて延滞税も発生し、放置するほど総支払額が膨らむ

 

このように、無申告のまま放置するほど、加算税と延滞税の負担が重くなります。

税務調査リスクが高まる

青色申告者には、帳簿書類を備え付け、記録し、保存する義務があります。

これらが整っていなかったり、税務調査で正当な理由なく提示を拒んだりすると、税務署は推計課税によって所得を算定することになり、実際より高めの所得が認定されるおそれは否定できません。

帳簿不備や無申告が続けば、今後の税務調査の対象に選定されるリスクが高まります。

期限後申告・修正申告でとれる2つの対処方法

すでに期限を過ぎてしまっていても、修正申告や期限後申告を活用することで、ペナルティの軽減や青色申告の承認維持につながる可能性があります。

気づいたタイミングで早めに動くことが何より重要です。

修正申告で誤りを自主的に正す

期限内に提出した申告書に、売上漏れや経費計上ミスなどで税額を少なく申告していたと気づいた場合は、修正申告で正しい金額に直せます。

修正申告は、税務署から更正・決定を受ける前なら基本的にいつでも可能ですが、税務調査の事前通知が来てから慌てて行うと過少申告加算税が課されやすくなります。

誤りに気づいたら先延ばしにせず、できるだけ早く自主的に修正申告することが、加算税の軽減や不適用につながるポイントです。

期限後申告でペナルティを軽減する

確定申告の期限を過ぎてしまっても、気づいた時点ですぐに期限後申告をすれば、ペナルティを抑えられる可能性があります。

税務調査の事前通知が来る前に自主的に申告すれば、無申告加算税は一律5%に軽減されます。

さらに、法定申告期限から1ヶ月以内に自主的に申告していること、納めるべき税金を法定納期限までに全額納付していること、過去5年間に無申告加算税などを課された事実がないことなど、一定の要件をすべて満たす場合には、無申告加算税自体がかからないケースもあります。

期限を過ぎたからといって放置せず、遅れても申告することがダメージを抑える対処法です。

まとめ

青色申告を怠ると、税制優遇の喪失とペナルティの増大などのダメージを受けかねません。

現状を正確に把握したうえで、期限後申告や修正申告、税理士への相談を組み合わせてリスクを最小限に抑えることが必要です。

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代表者紹介

Staff
平川 昌彦
税理士、行政書士平川 昌彦

大学卒業後、会社員、会計事務所職員を経て大学院で公共経済学・企業経営論を専攻、後に独立し、税理士として会計事務所を開業。

現在、静岡県浜松市を拠点に得意とする会社設立・起業・開業に力を入れるとともに、税務顧問・会計支援・IT経営支援サービスを展開している。

所属団体

東海税理士会 浜松西支部 (登録番号 第87151号)
静岡県行政書士会 西遠支部 (登録番号 第03171961号)

経歴

駒澤大学 経済学部 経済学科 卒業 経済学士
ハワイ州立大学 マノア校 N.I.C.E.プログラム 修了
愛知大学大学院 経済学研究科 修了 経済学修士
中京大学大学院 経営学研究科 修了 経営学修士
京都大学経営管理大学院 EMBAコース 修了

資格

上級経営会計専門家
ITコーディネータ(0046832003 C)
農業経営アドバイザー(日本政策金融公庫)
登録政治資金監査人(第1992号)
申請取次行政書士(行-162003200109)
MCSC(Microsoft Certified System Coordinator)
損保マスター資格(マスター009807号)
2級ファイナンシャルプランナー技能士
経営士

事務所概要

Office Overview
事務所名 平川昌彦税理士事務所
代表者 平川 昌彦(ひらかわ まさひこ)
所在地 〒432-8047 静岡県浜松市中央区神田町461番8
TEL/FAX TEL:053-545-5570/ FAX:053-545-5571
営業時間 平日9:00~18:00(事前予約で休日、時間外対応可能です)
定休日 土・日・祝日 (事前予約で休日、時間外対応可能です)
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